2023年12月31日 16:15

2023年12月31日

数年前の話になるが、今日は大晦日なので蕎麦を食べよう(いや普段から食べているが)、と考えながら酒を飲んで、さていざ台所に立ってみて、気が付いたら癖でパスタを作ってしまっていて、ああ俺はもうダメだと泣き崩れことがあった。大体俺は1年365日を完全にフラットに捉えていて、少なくとも捉えようと心懸けていて、だから年末になっても大掃除はしないしおせちの準備もしない、年が明けても初詣には滅多に行かないし羽根つきもしない。そういう人間が突然年越し蕎麦などと思い立っても難しいに決まっている――という解釈はできるが、にしても情けない。

ただ俺は、X(旧Twitter)では年末になると1年を振り返るようなポスト(旧ツイート)を毎年している気がする。んで、今年は折角ブログがあるので、そういうことはこっちに書いておくことにした。以下思い付くまま雑然とした箇条書きである:

  • 年末に読んでいる本でその年の読書傾向が推し量れる、というさっぱり根拠のない迷信が俺の中にはあって、今はなぜかアルチュセールを繙読している。『マキャヴェリの孤独』という本は未読なのだが、次に読まねばならないようだ。
  • しかし総じて振り返るなら相変わらず日本語とギリシア語の古典を読み返していただけで、そこから発展する気配がない。例えば芭蕉七部集なんかは、単純に面白いからずっと眺めていられる。ホメロスの全行を憶えるのは、まあ見果てぬ夢に近いプロジェクトである。しかし日本の古典文学における仏教の影響の理解は決定的に不足しているし、或いはアリストテレス哲学のアラブや中国への伝播についてはなかなか辿ることができずにいる。
  • そんな感じで理論的な勉強は余りできていないのだが、量子力学については少し着手した。ただ計算という作業はやはり面倒臭い。そんで例えばPythonでフーリエ変換とかのスクリプトを書いたりしたんだけど、そのコーディングがもう既に面倒臭い。或ることを「知識」とする前段階にまず手を動かして体得する「技術」が必要とされるのは、詩を憶えるには何度も声に出して読む必要があるのと同じである。
  • マンガは、『ハイパーインフレーション』が完結したが、これは少なくとも10年に1度レベルの傑作だったと思う。その後は『刃ノ眼』が文句なしに素晴らしい他、『遥かなるマナーバトル』が、完全に出オチの一発ネタと思わせて面白くなってきてしまった。
  • これはXにも書いたんだけど、ストーンズの新譜が出たのが俺にとってはすごい衝撃だった。ジジイども元気すぎる。晩年の大西巨人は、人は最後まで「クリエーティヴ・パワー」を持ち続けるべきだ、いや寧ろ「クリエーティヴ・パワー」があれば死なない、とかめちゃくちゃな信念を語っていたが、ほんとその通りで、とすると俺の寿命はそんなに長くはないのであろう。
  • とは言え今年は入院もせず、だらだらと通院を続けて薬を飲むだけで終わった。内科の薬は1日7種類から最近8種類に増えました。
  • 医者と言うなら、昨年末に虫歯という症状が出て歯医者に行った。なぜか俺は成人してから虫歯になったことがなかったので、突然歯(茎)が痛みだして眠ることもできなくなって驚ろいた。で削って詰め物をして治療は完了したのだが、その後、いやこれはほんと不思議なのだが、毎月定期検診に通うという流れになってしまった。月イチという頻度での検診が必要なのかは大いに疑問なんだけど、ただ当該歯科医は地場で優良なサービスを提供しているという感触はあるので、会社員時代に嫌というほどピンハネされた社会保険料がここに還流されるならそれも良いか、くらいの気持ちで通院を続けている。
  • 仕事は確か3案件やったが、セキュリティ関連の需要が高いことはひしひしと感じた。ホワイトハッカーとか何とか言い出さずとも、例えばウイルスを作る人とアンチウイルスソフトを作る会社がごく近い位置にいることは昔から知られていて、マッチポンプとまでは言わないがいたちごっこではあるので、食いっぱぐれにくいことはまあ分かる。

というわけで俺は今から蕎麦を茹でる。パスタじゃないぞ。蕎麦だぞ。しっかりしろ俺。


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