雑記

2023年12月31日 16:15

数年前の話になるが、今日は大晦日なので蕎麦を食べよう(いや普段から食べているが)、と考えながら酒を飲んで、さていざ台所に立ってみて、気が付いたら癖でパスタを作ってしまっていて、ああ俺はもうダメだと泣き崩れことがあった。大体俺は1年365日を完全にフラットに捉えていて、少なくとも捉えようと心懸けていて、だから年末になっても大掃除はしないしおせちの準備もしない、年が明けても初詣には滅多に行かないし羽根つきもしない。そういう人間が突然年越し蕎麦などと思い立っても難しいに決まっている――という解釈はできるが、にしても情けない。続きを読む

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2023年08月04日 01:21

だいぶ以前にも書いたことがある気がするが、俺はもう長らく1冊1冊の本が良いの悪いのといったことは割とどうでもよくなっていて、複数のテクストの関係性にしか興味がない。それで例えば一時期、アイソポスを巡る説話群(B. E. Perry, Aesopica)から遡って『アヒカル物語』『トビト記』、下ってナスレッディン・ホジャそして勿論『伊曾保物語』、また動物寓話としては遡って『パンチャタントラ』、下って『狐物語』『ラインケ狐』を経てゲーテの『ライネケ狐』等を渉猟し、はたまた『カンタベリー物語』を経て『薔薇物語』、『ゲルマーニア』を参照しながら再び『ラインケ狐』を経てエッダとサガ、を経て『ニーベルンゲンの歌』或いは『エル・シードの歌』、『司祭アーミス』『聖ブランダン航海譚』、さてはティル・オイレンシュピーゲルといった物語を、読んでは紐づけ、星座を描くことに没頭していた。無論単なる趣味として、何を目指すでもなく愉しいからやっていたことなのだが、また結構本気で、これは俺が今生きる現実を理解するための修練だとも思っていたのである。

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2023年06月09日 07:47

過日、メッセージフォームで:
ララビアータ:鎌田哲哉氏の「穴つるし」 - livedoor Blog(ブログ)
のコメント欄に「宮本・大西論争」を巡って書き込んでいるのはお前か、というメッセージをいただいたので回答すると、ノーである。ちなみに上記のブログを書いている田島正樹という人がどういう人か俺は知らないのだが、なんか見覚えがあると思ったら、昨年全然別件で検索していて辿り着いて幾つかのエントリをEvernoteにクリップしており、世の中はイッツアスモールワールドなのであった。

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2023年02月24日 07:17

Webマンガはコメント欄ありきで楽しむもので、それは例えば嘗てニコニコ動画が、冷静になってみれば特にどうということもない動画でも画面上にツッコミが流れると途端に面白くなることを発見したのと同じように、メディアの進歩により既存の表現様式に新たな楽しみ方が創出された事例だと俺は思っている。だから――説明の都合上民度の低いところを例にとることになるが――『怪獣8号』のコメント欄で、批判的なコメントだけが片っ端から削除された結果「批判的なコメントに対する批判的なコメント」ばかりが上位に残って訳の分からない状態になっているのを見るのは楽しいし、或いは『僕の武器は攻撃力1の針しかない』がちょっとまともになってコメントのツッコミも鈍ってくると、それは寂しいものだと感じる。

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2023年02月16日 11:02

ことの起こりから話すと、まず2022年は少しだけ労働をしたのだが、9月にはそれも終わって、少なくとも年内は何もせずに暮らすぞと考えた。それで小人が閑居したものだから、『ハイパーインフレーション』についてちょっと書いておきたくなった。

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